2025.03.27

衝撃のワンカット長回し！　Netflixドラマ「アドレセンス」が突きつける、思春期の残酷な現実【Netflixオリジナルドラマ「アドレセンス」紹介記事】

武装した警官が、住宅街の一軒に突入する緊迫のオープニング🚨

一体、何が？　次に映し出されたのは、あどけない寝顔の13歳の少年👦

Netflixで配信中のドラマ「アドレセンス」は、見る者を冒頭から釘付けにする衝撃作です。同級生殺害事件をめぐり、少年を取り巻く人々の心の闇と事件の真相に迫る、全世界で話題沸騰中の本作の魅力を徹底解剖します🔍

あらすじ：13歳の少年の逮捕から始まる、心の闇を描く衝撃作

主人公は、13歳の少年ジェイミー・ミラー。ある日突然、彼は同級生の女子生徒殺害の容疑で逮捕されます。事件を担当する刑事、被害者の家族、そしてジェイミーの家族や友人たちは、それぞれの視点から事件を見つめ、心の奥底に抱える葛藤や秘密に直面していきます。

主な登場人物：複雑な心情を演じる実力派俳優陣

ジェイミー・ミラー: 13歳の少年。同級生殺害事件の容疑者。
キャリー・ミラー: ジェイミーの母親。息子を信じようとする一方で、事件の真相に苦悩する。
ポール・ロバーツ: 事件を担当する刑事。冷静に事件を追いながらも、少年犯罪の背景に心を痛める。
ブライオニー・アリストン: 亡くなった女子生徒の親友。事件の真相を追い求める。
ブリオニー・アリストン: 心理療法士。ジェイミーと向き合う。

「アドレセンス」の魅力：見る者を惹きつける5つのポイント✨

衝撃的なストーリー: 少年犯罪という重いテーマを扱いながらも、見る者を惹きつけるスリリングな展開。
圧巻のワンカット長回し: 各エピソードがワンカットで撮影されており、登場人物たちの感情や場の緊張感がリアルに伝わってくる。
俳優たちの演技: 主人公ジェイミーを演じるオーウェン・クーパーをはじめ、実力派俳優たちの迫真の演技。
心理描写: 登場人物たちの心の葛藤や変化を丁寧に描き出し、人間ドラマとしての深み。
社会への問いかけ: 少年犯罪の背景にある社会問題や、人間の心の闇について深く考えさせられる。
主演、新星オーウェン・クーパー:こんな大役を演じているのが、本作品でスクリーンデビューを果たした新星オーウェン・クーパーさん。演技のレッスンを受けていたそうですが、所属エージェントの小さな仕事をしたことがある程度の経験しかなく、本作品のオーディションにテープを送り、見事に役を獲得した逸材です。

各話の感想：息もつかせぬワンカットの緊張感。

本作の各話は、息もつかせぬワンカット長回しで撮影されており、その緊張感と臨場感は見る者を圧倒します。日常の些細な出来事が、すべての人々と繋がっていることを痛感させられるような、そんな感覚を覚えます。

1話：衝撃のラストシーン
- 13歳の少年が突然逮捕される冒頭から、視聴者は彼が何をしたのか分からぬまま物語に引き込まれます。そしてラストシーンで明かされる衝撃的な映像。1話目にして、このドラマの只ならぬ深さを予感させられます。
2話：事件の輪郭
- 学校を舞台に、加害少年の友人や警察官の息子など、様々な人物の言葉から事件の輪郭が浮かび上がってきます。もし友人がナイフを渡していなければ、もしInstagramがなければ…。やるせない思いが胸を締め付けます。
3話：心の闇
- 加害少年と心理療法士の面談は、多くの視聴者の心を掴みました。一言では言い表せない複雑な感情が渦巻くこのエピソードは、少年が抱える心の闇を深く掘り下げています。
- ジェイミーのこうした振る舞いは、心理学で投影性同一視（projective identification）と呼ばれる防衛機制と捉えることもできます。
4話：家族のその後
- 加害少年の家族が抱える苦悩と葛藤が描かれます。近隣住民の冷たい視線、家族間の亀裂。少年から大人へと残酷な形で移り変わる様は、見る者の心を深く抉ります。

投影性同一視（projective identification）とは

投影性同一視とは、心理学における防衛機制の一つであり、自分の抱えきれない感情や欲求を、無意識のうちに相手に「投影」し、その投影された感情を相手に「同一視」させる心の働きのことです。

「アドレセンス」における投影性同一視

ドラマ「アドレセンス」においては、主人公の少年ジェイミーが、心理療法士のブリオニーに対して、自分の抱える恥の感情や怒りを投影し、ブリオニーにそれを感じさせようとする場面が見られます。

ジェイミーは、ブリオニーに対して挑発的な言葉を投げかけ、ブリオニーを動揺させようとします。
これは、ジェイミーが自分自身の不安定な感情を、ブリオニーに投影し、ブリオニーの反応を通して自分の内面を確認しようとしていると考えられます。

投影性同一視の目的

投影性同一視は、自分自身が抱えきれない感情や欲求を、相手に肩代わりさせることで、心の安定を保とうとする無意識的な働きです。

しかし、この防衛機制は、人間関係に歪みを生じさせ、問題を複雑化させることもあります。

「アドレセンス」では、この投影性同一視という心理学的な概念をドラマの中で使用する事によってより内容の深みを増したドラマと言えるでしょう。

深層にあるテーマ：アドレセンス（思春期）の光と闇、そして現代社会の病巣

本作のタイトル「アドレセンス」は、思春期を意味します。心身ともに大きく変化し、自己と他者との関係に悩み、アイデンティティを模索する時期。本作では、思春期の少年が抱える心の闇、そして周囲の大人たちの思春期に対する理解の欠如が、事件の背景にあったことが示唆されています。

生きづらさと困難さ：SNSがもたらす歪み
- SNSが社会に深く浸透した現代。常に他者と繋がり、比較し、評価される環境は、思春期の少年たちにとって大きな負担となります。本作は、SNSがもたらす歪みと、そこから生まれる生きづらさを痛烈に描いています。
原因探しをさせない構成：誰もが無関係ではない
- 本作は、事件の原因を単純なものとして提示しません。ナイフ、Instagram、劣等感、蔑視…。様々な要因が複雑に絡み合い、事件を引き起こしています。それは、誰しもが加害者にも被害者にもなり得る、そんな現代社会の危うさを映し出しているかのようです。

考察：見る者の心を揺さぶる、深く重いテーマ

「アドレセンス」は、単なる犯罪ドラマではなく、思春期の光と闇、そして現代社会の病巣を深く抉る作品です。少年犯罪の背景には、家庭環境、学校、社会など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。本作は、私たちに、少年犯罪を個人の問題として片付けるのではなく、社会全体で向き合うべき課題として捉えることの重要性を問いかけているのではないでしょうか。