Draw Bridge クリエイターインタビュー

2021年にリリースされた『Draw Bridge』は現在、全世界累計3000万ダウンロードを記録。(2024年現在) 今回はこの大ヒットカジュアルゲームを生み出したKimichanに、『Draw Bridge』のさらなる魅力を探るためインタビューいたしました。
開発当時の話
『Draw Bridge』の企画は、どのように生まれたのでしょうか?
当時、ハイパーカジュアルゲーム市場においてドロー(線を引く)ゲームが全盛期でした! なのでドローを使ったゲームで何か新しい組み合わせを作れないかと考えていました。普段からSteamのインディーゲームを遊んだりプレイ動画を見たりしていたのですが、「Poly Bridge」の崖の絵に線を引くイメージが頭の中に浮かび上がってきたので作ってみたのが始まりです。
※Poly Bridge…Poly Bridgeは、ニュージーランドを拠点とするDry Cactusによって開発された、橋を建設するシミュレーションパズル ゲーム
なるほど! ハイパーカジュアル市場を常に観察し傾向を捉え続ける努力、普段からゲームに触れている努力、この2つの努力によって、『Draw Bridge』が生まれたんですね…。Kimichanは毎回面白いパズル企画を出す印象があったので、企画力の秘密も分かった気がします。
『Draw Bridge』は企画を出してからは、スムーズに制作できたのですか?
実はプロトタイプをストアに出したタイミングではお客さんの反応は悪くはなかったものの、社内の基準には達していなかったので本企画は1度クローズしていました。しかし数か月後の社内会議で、前は駄目だったけども今は変わっているかもしれないから試して見ない?と再度チャンスの機会があり、改めてテストを行ったところ基準を達していたので作り始めることが出来ました。
※プロトタイプ→試作品であり、本格的な開発に入る前の段階のもの
えええ~! そうだったんですね! 『Draw Bridge』ほどの人気ゲームは、プロトタイプの段階から数字が良いものだと思っていたので意外でした。他には制作時に大変だったことはありますか?
ステージ制作が大変でした!
ゲームが非常にシンプルで当初から沢山ステージを作ることは出来たのですが、そのシンプルさ故に
少し段差を高くするだけでもステージを失敗してしまう人が多くなってしまうのでかなり調整をしています!
一見かなり雑に作ったなというステージも、実は時間をかけて丁寧に作成しています。
シンプルに見えるステージでも、実は時間をかけて調節されていたりするんですね…。普段パズルゲームは解くことしか頭にないので、ステージ作成のお話は新鮮です。是非ユーザーさんには次にプレイする際は、ステージにも注目して遊んでほしいですね! 一番のお気に入りステージはあったりするんですか?

一番のお気に入りはこのステージですね! 必要最低限でシンプルなステージですが、ユーザーとボタンとの初めての出会いのシーンです。一瞬ボタンを見た初めてのユーザーが戸惑うも、数秒考えてから「なるほどそういうことね!」とギミックを理解してくれる、良いステージだと思います。
新しい機能をみてもすぐに理解できてしまうUIはとても優秀ですよね! ユーザーとしても、こうかな? と試してみてできた時の嬉しさはゲームの楽しさに直結するように感じます。
UIの話
ハイパーカジュアルゲームにおいて優秀なUIについて、Kimichanはどのように考えていますか?
特徴としては世界中のユーザーをターゲットとしているので、癖のないフォント選びや一目で分かりやすい配置が大事でしょうか。業界的に良い物は真似て真似られての世界なのでジャンルごとにかなりテンプレート化されているというか、オリジナリティが少なくシンプルで同ジャンルの他のハイパーカジュアルゲームから流入してきたユーザーも違和感なく遊べる物になっていると思います。
なるほど…! あえて個性の少ないフォントや配置でシンプルにすることで、どんな人でも抵抗なくできるようになっているんですね。当たり前のようにみているUIも、なぜこういった見た目になっているのか理由があり面白いですね!
では最後に、『Draw Bridge』の開発者からこのゲームのおすすめポイントをお願いいたします!
はい! このゲームのおすすめポイントは車の想定以上のしぶとさですね!
現実の車でよくこんな急な坂を滑り落ちずに昇り降りできるなって関心すること、ありますよね!
傍から見ていて失敗しちゃったなと思っても、自力で登ってくれる胆力が見所です!