世界中が遊ぶゲームを作ろう!採用エントリー

2026.06.04

ヒットの裏にあるボツの山。代表Hossyからみた、うまくいかなかった企画の話

ヒットの裏にあるボツの山。代表Hossyからみた、うまくいかなかった企画の話

前回の記事 【代表メッセージ】Hossyが求めるのは『真剣な遊び心』。ヒット作を生むクリエイター像とは? では、私たちが一緒に働きたいクリエイター像について書きました。今回はその裏側、世に出ることなく消えていった「ボツ企画」の話をします。

こんにちは。エウレカスタジオで代表を務めているHossyこと星川哲視です。

採用記事というと、ヒット作や華やかな成功談を並べたくなるものです。でも私は、あえて「うまくいかなかった企画」について書きたいと思います。エウレカスタジオというチームの本当の姿は、成功よりもボツの山にこそ表れているからです。

実を言うと、私には今でも「あれは惜しかった」と折にふれて思い出す企画がいくつもあります。記事の後半では、その中でも忘れられない3つの企画をご紹介します。どうか、最後までお付き合いください。

目次

見えている成功は、氷山の一角

私たちがこれまでに世に送り出してきたヒット作は、決して打率の高さで生まれたものではありません。その何倍、何十倍ものボツ企画が、リリースの裏で静かに消えていきました。

エウレカスタジオには、クリエイター1人あたり月10本(2ヶ月で20本)の企画を出し、その中から見込みのあるものを月2本のペースでプロトタイプテストにかける、という基本ルールがあります。1つの企画に時間をかけすぎるのではなく、たくさんのアイディアをすぐに形にして、数字で確かめていくのです。

ハイパーカジュアルゲームは、当たれば一気に世界へ広がる一方、外れるときはあっけなく外れます。小さな会社が勝ち続けるための答えは、打率を上げることだけではなく、打数そのものを増やすことです。たくさん打席に立つということは、たくさん空振りするということでもあります。

だから私たちにとって、ボツは恥ずかしいものでも、隠すものでもありません。見えている成功は氷山の一角で、水面下には膨大なボツの山がある。それがこの仕事の前提です。

ボツは「失敗」ではなく「投資」

ボツ企画を「失敗」と呼ぶと、どこかネガティブに聞こえます。でも私は、ボツは「当たりを引くために必要なコスト」だと考えています。

私は失敗したことがない。1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ。 I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.

かのトーマス・エジソンは、このように語っていたようです。この言葉は、何度も繰り返しチャレンジしてうまくいかなかったとしても、成功に向けてそのチャレンジを続けることが大事であることを伝えているのだと思います。

面白いかどうかを最終的に決めるのはユーザーです。どれだけ社内で盛り上がった企画でも、数字が規定に達していなければスタートラインには立てません。その企画は世界には届くことはないのです。逆に言えば、打席に立ってみないと当たりかどうかは誰にも分かりません。ボツの一つひとつは、当たりの確率を買うための投資なのです。

私たちがボツを前向きに捉えるのは、精神論ではありません。打席に立つ回数を増やすほど当たりに近づくという、確率の話なのです。

大事なのは、見極めとスピード

とはいえ、当たらない企画にいつまでもしがみつくのは、最も避けたいことです。投資である以上、引き際の判断が何よりも重要になります。

私たちはプロトタイプを作り、CPI(インストール単価。1インストールを獲得するためにかかった広告費のこと)やリテンションといった数字で結果を測ります。なぜハイパーカジュアルでCPIを重視するのかは、別記事「なぜハイカジのテストではCPIがポイントになるの?」でも紹介しています。想定したラインに届かなければ、改善の余地を探り、仮説を立てて作り直す。それでも数字が動かなければ、潔く次の企画へ切り替えます。

ここで大切なのは、企画を「塩漬け」にしないことです。決断を先延ばしにするほど、時間という一番貴重な資源が失われていきます。素早く見極め、素早く次の打席へ向かう。このスピードこそが、ボツを投資として成立させる条件です。

企画発案者は悔しいかもしれないけれども、ひとつの企画に固執しないというのは共通認識でいるので、それほど大きなダメージもなく、次に向かって進むことができます。

ボツを作ったクリエイターを責めない

ここまで読んで、「ボツになったら評価が下がるのでは」と不安に思う人もいるかもしれません。エウレカスタジオでは、そんなことはまったくありません。ここまで書いてきたことからすれば、ボツになること自体が問題ではないというのは理解してもらえると思います。

数字が伸びなかったことと、クリエイターの価値はまったくの別物です。仮説を立て、形にし、数字と向き合って、どうしても数字を改善できなければ撤退を見極める。その一連のプロセスを踏んだ人を、結果だけを理由にマイナス評価することはありません。ボツを責められる空気があれば、人は安全な企画しか出さなくなり、0→1の挑戦は生まれなくなります。

安心して大胆な企画を出せること。それが、たくさんの打席に立つための土台だと考えています。

ボツは捨てない。次の打席の資産になる

ボツになった企画も、そのまま消えてなくなるわけではありません。

「なぜ数字が届かなかったのか」「どの仮説が外れたのか」を言語化して残せば、それは次の企画の出発点になります。あるメカニクスはボツでも、その中の一要素が別の企画で生きることもあります。私たちにとってボツの山は、墓場ではなく資産の蓄積なのです。

そして、その資産を眠らせないための仕組みとしてNotionというシステムを使用しています。エウレカスタジオでは、これまでに出したすべての企画とプロトタイプ、それぞれの評価を、ジャンルやメカニクス、狙った仮説、CPIなどの結果、そして終了の理由までをデータベースに記録しています。

新しい企画を考えるときは、この蓄積をその場で呼び出し、似たメカニクスやジャンルの企画がどんな数字だったのかをすぐに比較できます。複数のボツを横断して「どの仮説が外れやすいのか」をまとめれば、失敗の共通パターンが見えてきます。今検討している企画を過去のボツと並べてみることで、同じ轍を踏まないか、どこを変えれば勝ち筋になるのかを冷静に判断できるのです。

こうして失敗をきちんと言語化し、いつでも引き出せる形で蓄積していく。それが、打席に立ち続けながら少しずつ打率を上げていくための、一番効果的な方法だと考えています。

「惜しかった」と今も思う3つの企画

私はクリエイターではないので、多少のアイディアは提供することがあっても、実際に自分でゲームを企画することはありません。だからこそ、メンバーが出してきた企画を一番近くで見てきた立場として、「これは惜しかった」と今も心に残っている企画を3つ紹介します。

惜しかった企画①|Repair it!(壊れたものを直す修復パズル)

壊れた食器や家具を、ドラッグして回転させながら、欠けたパーツをくっつけていき、すべてが組み上がればクリアという3Dの修復パズルです。要素が少なく、一目で「何をすれば良いか」が分かる明瞭さがありました。シンプルなのに、誰もがルールを理解できて、直したくなる動機があるという意味でかなり面白いと感じました。

「ありそうで、実は見た覚えがない」という親しみやすさと新規性に賭けた一本でしたが、プロトタイプテストのCPIが基準に届かず、見送りとなりました。分かりやすさと新しさを両立させても、それだけで数字が動くとは限らないという、ゲームの難しさを教えてくれた企画です。

惜しかった企画②|Word Parade(単語をつないでバスを走らせる)

ステージごとのテーマ(AnimalsやFruitsなど)に沿って、文字ブロックをタップしながら単語を完成させ、その単語が道となってバスをゴールへ導くワードパズルです。地味になりがちな単語ゲームに、ハイパーカジュアルらしい派手な演出を掛け合わせた点が新しさでした。

「バス×ワードパズル」という組み合わせに手応えを感じ、初期テストのCPIも良かったことから、さらに改良を加えたり試行錯誤を重ねたりしたのですが、その後のテストでは基準に届かず、惜しくも見送りとなりました。時間をかけた企画ほど踏ん切りは難しいものですが、潔く次へ進む判断も含めて、私の記憶に残っています。

惜しかった企画③|BBQ Paradise!(肉を増やして店を切り盛りする)

肉をバンパーでどんどん増殖させ、画面下部のプレイヤーを操作して回収・調理・販売・清掃をこなし、稼いだお金で設備を強化していく企画です。「物理で増えていく爽快感」と「お店を切り盛りするアーケードアイドルゲーム」を掛け合わせた、欲張りな構成でした。実は、この頃はBBQというタイトルが付くとCPIが下がるのではないかという仮説があって、いくつか名前にBBQを冠した企画をテストしていました。

こちらも初期プロトタイプテストで悪くない数値が出たので(BBQ効果!)、1回目のテストで諦めず、改善を重ねて2回目のテストまで挑みました。それでもCPIは基準に届かず、結局のところは見送りという判断に至りました。粘って磨いても届かないことはあります。けれど、その2回分の試行はまるごとチームの財産になっています。(BBQだけでは難しいことも学びました)

だから、安心して打席に立ってほしい

3つの企画はいずれも世には出ていません。それでも、挑戦した人たちの企画が無駄だったとは、私はまったく思っていません。水面下に静かに積み上がったボツの山があるからこそ、いつか氷山の一角が水面の上に顔を出すのです。

失敗を恐れず、それでも「面白い」を信じてアイディアを出し、手を動かし続けられる人。私たちが一緒に働きたいのは、そんな人です。

エウレカスタジオは、ボツを恐れずに打席へ立てる場所でありたいと考えています。固定給で生活の安定をしっかりと確保しながら、会社のリソースを使って自分のアイディアを世界へ試せる。空振りを責められることなく、何度でもバットを振れる、そんな環境です。そして、ヒットが生まれたら、その利益をきちんと分け合う仕組みも整っています。会社の利益の半分をクリエイターに還元するという考え方は、別記事「利益の半分を、創った人へ還元する」で詳しく紹介しています。

あなたが「面白いかも」と思って打ったその一打が、次のヒット作になるかもしれません。まずはカジュアル面談だけでも大歓迎です。あなたのアイディアを、エウレカスタジオの打席で振ってみませんか。

この記事をシェア

この記事を書いた人

ダウンロードランキングDOWNLOAD
RANKING

全世界でプレイされているエウレカスタジオのゲームダウンロードランキングをチェック!!