2023年にリリースされた『Police Rush』! 今回は警察官になって強盗のアジトに侵入するスリル満点の爽快アクションゲームを生み出したHiroに、『Police Rush』のさらなる魅力をお伝えしたくインタビューいたしました。
開発当時の話
『Police Rush』の企画は、どのように生まれたのでしょうか?
普段ゲームをしないユーザーにも親しみやすいゲームはなんだろうと日々考えている中で、まず第一に決めたのが「テーマやストーリーをわかりやすく! 」でした。いくつか候補が挙がった中でも「警察が強盗を制圧する」というストーリーはゲームの目的としてもわかりやすく、日常においても映画でよく見るシーンだったりするのでこれだったら老若男女問わず親しんでプレイしてもらえるゲームになりそうだなと直感的に思い、企画に至りました。
ありがとうございます! 確かに「警察が強盗を制圧する」というストーリーは誰でも分かりやすいテーマですね! 普段ゲームをしないユーザーのことも考えて企画をつくるところは、まさにターゲットが広いハイパーカジュアルゲームを作るうえでは大切なポイントに思います。他にも多くの人にプレイしてもらえるように、こだわっている点はありますか?
どのゲームにも言えることなのですが、操作方法を可能な限りシンプルにすることは常に心がけています。
このゲームは戦闘中に移動・攻撃・武器の切り替えが主な操作になるのですが、画面をドラッグして移動や回避、指を離して止まると攻撃、武器は弾切れになると次の武器へ自動的に切り替わる(マニュアル操作も可能)ので、結果としてキャラクターを移動するだけの操作ですべての行動が行えるようになっています。
操作の種類を増やすことでゲームとしての表現方法や取れる行動は幅広くなりますが、その分プレイ中に考えることが複雑になってゲームを難しく感じさせる原因になりやすいです。普段ゲームを積極的にプレイしないユーザーにもこのゲームを楽しんでもらいたい思いがあるので、この点はこだわりました。操作方法を増やすのは簡単なことですが、その決断をする前に「本当にその操作でないと実現できないのか」という事を考えるようにしています。
操作方法…! 確かに当たり前のように『Police Rush』は移動操作のみでステージを進めることができますが、考えてみると3行動が自動化されていますね!! アクションゲームは、プレーヤースキルや戦闘の知識などが多く求められ、よりゲーム初心者にはハードルが高くなりがちですが、操作をあえて自動化して減らすことで、両方ともカバーされておりすばらしいと感じました。ちなみにこういった知識は経験から取得されているのですか? ハイパーカジュアルゲームを制作するために、普段から心がけていることも合わせてお聞きしたいです。
操作を複雑にしてプレイし続けてもらえなかった失敗経験もありますが、やはり多くのユーザーにプレイしてもらっているヒットタイトルは、いつだってシンプルだったという事実を大事にしています!
普段から心がけていることは、まず基本に忠実であることでしょうか。
ハイパーカジュアルゲームは、コンシューマゲームをはじめとした複雑なゲームを積極的に生活へ取り入れないユーザーも沢山プレイしており、そのようなユーザーがメインのターゲットだと考えられています。ゲームの世界観やキャラクター・オブジェクトがそのようなユーザーでも理解できて受け入れやすく、各要素の動きやリアクションが期待を裏切らない内容になっているかは常に意識しています。
自分の両親に突然このゲームを渡してプレイしてもらった時に、内容を理解してプレイし続けてくれそうか?という問いかけをするイメージでしょうか(笑)そうすることで自ずと操作の種類が減ってきて、シンプルさを保ちつつも満足感のあるプレイ体験をどう生むのかという考えになるので、これを基本としています。
あとは市場のトレンドに敏感になることも心がけています。ハイパーカジュアルゲームは開発期間が比較的短いので、市場にリリースされる本数が多くランキングの入れ替わりも激しいとされているジャンルです。つまりは市場を普段から観察・分析することで、ユーザーは現在どのようなゲームを好んでプレイしているのかが見えやすいので、市場の需要にあわせたゲームを作りやすいといえると思います。ゲームってジャンルが多くて表現の自由度も高いので、どんなゲームを作ろうかと漠然と考えていると迷っちゃうんですよね…。なので、僕は市場のトレンドを基準に企画を考えています。
しっかりと誰へゲームを作っているのかがとても明確で、すばらしいですね! 自分の両親に理解してもらえるのか…という例はとても分かりやすいです。ハイパーカジュアルゲームでは、何度も出てきていますが普段あまりゲームをしないユーザーが、メインターゲットになっています。より多くの人たちにすんなりと受け入れられる世界観やプレイ方法はいつだってシンプルが基本であり大切ですね。
またハイパーカジュアルゲームは開発期間が短いからこそ、チャンスをつかむには、市場のトレンドに敏感になることはかなり重要です。自分が作りたいゲームを作ってしまう気持ちは分かりますが、たくさんの人にプレイしてもらうには市場をみて冷静に判断する必要があります。エウレカスタジオのゲームクリエイターは全員、毎日市場をチェックしているため、懇親会で集まるとつい市場について盛り上がってしまう傾向があります(笑)
『Police Rush』の制作時に一番大変だったことを教えてください!
レベルデザインや難易度のバランス調整が一番大変だと感じました。
出現する敵のステータスや配置だけでなく、そのレベルに挑戦する段階でプレイヤーが所持している装備やステータスの想定であったり、プレイヤーの成長速度とレベルの難易度上昇とのバランスを考えながら調整するのにとても苦労しました。
ユーザーの反応がレベル毎の失敗数や離脱率といった数値に現れるので、その数値を分析し、次なるバランスの根拠となる仮説を立て実行するというのを繰り返すイメージです。
はじめに作成したバランスが完全にハマることはまず無いので、このサイクルを繰り返して一番良さそうなバランスを探す必要が今後も含めてあると思います。
ゲームを遊ぶ際に、いつもちょうど良いアイテムや装備、レベルアップの成長速度になっていますが、こちらもすべてクリエイターが設定してます。正解が決まっておらず、目に見えない設定のため、こちらの調節はかなり難しいですが、ユーザーが快適にゲームプレイするには大切な設定です。
『Police Rush』の制作時に一番良かったエピソードを教えてください!
銃の種類についての知識がついたというところでしょうか(笑)
Police Rushの開発以外でも言えることなのですが、いざゲームを作ろうとしたときに題材に沿った世界や動き・設定を実現するためには、その題材に関する基礎知識が必要になることが多くあります。
Police Rushではプレイヤーキャラクターの武器(銃)にはいくつかの種類があり、それぞれに専用のグラフィックが用意されています。
できるだけプレイするユーザーが理解しやすい武器にしたかったので現実に存在する武器を採用したのですが、僕自身は銃に関してほぼ知識が無く、開発当初どの武器が有名で何をチョイスすれば良いのかが全くわからなかったんですね。
それはもう様々なWebサイトを参考に調べまくったのですが、「あ、これ見たことある! これがAKか! 」など日々発見が耐えませんでしたね…!
制作を通して段々と知識の解像度が上がっていく過程も、ゲーム開発の楽しいポイントだと思います。
最後に『Police Rush』の魅力を再度お願いいたします!
警察官になって強盗団をやっつけるアクションゲームで、移動・回避・攻撃・リロードなど、指一本のカンタン操作で満足感のあるプレイを体験できます!
どのようにして皆さんに楽しんでプレイしてもらえるかを試行錯誤しながら作った思い入れのあるゲームなので、是非プレイしてみてください!