【ネタバレ考察】『ハリー・ポッターと謎のプリンス』がもっと面白くなる3つの“美学”。シリーズで最も“異質”な傑作の謎

【ネタバレ考察】『ハリー・ポッターと謎のプリンス』がもっと面白くなる3つの“美学”。シリーズで最も“異質”な傑作の謎

こんにちは! エウレカブログです!🎮✨

「シリーズで、映像が一番美しいのはどの作品?」 そう聞かれたら、多くの映画ファンがこの第6作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年)の名前を挙げるでしょう。 しかし同時に、「原作から、一番大事な部分がカットされている…」と、原作ファンから厳しい声が上がるのも、この作品です。

なぜ、この映画は、最高の評価と、最も激しい批判を同時に向けられるのでしょうか?

今回は、【超ネタバレあり】で、このシリーズで最も“異質”で、美しく、そして哀しい傑作が、もっと面白く、もっと味わい深くなる3つの“美学”を徹底解説します!👇

目次

まずはおさらい:『ハリー・ポッターと謎のプリンス』とは?(※核心ネタバレあり!)

  • 公開年: 2009年
  • 監督: デヴィッド・イェーツ
  • 原作: J・K・ローリング 小説『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
  • 主演: ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン
  • ジャンル: ファンタジー/アドベンチャー/ロマンス

あらすじ(結末まで!):

ヴォルデモートの復活が公となり、魔法界と人間界に闇の影が広がる中、ハリーはホグワーツの6年生に進級。ダンブルドア校長は、ヴォルデモート打倒の鍵となる「分霊箱(ホークラックス)」の秘密を探るため、ハリーに個人授業を始める。その鍵は、新任の魔法薬学教授ホラス・スラグホーンが隠し持つ、若き日のトム・リドル(ヴォルデモート)との記憶にあった。 一方、ハリーは偶然手に入れた古い教科書の、「半純血のプリンス」と名乗る謎の人物による書き込みのおかげで、魔法薬学の天才となる。 その裏で、ドラコ・マルフォイは、ヴォルデモートからダンブルドアを殺害するという、過酷な任務を課せられ、苦悩していた。 物語のクライマックス、ドラコは天文台の塔でダンブルドアを追い詰めるが、とどめを刺すことができない。そこに現れたセブルス・スネイプが、ハリーの目の前で、「アバダ・ケダブラ」の呪文を唱え、ダンブルドアを殺害してしまうのだった。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

【もっと面白くなる美学①】なぜ“恋バナ”ばかり? 「嵐の前の静けさ」という、残酷な演出💔

「この映画、なんだか恋愛シーンが多くない?」 そう感じた方、多いと思います。ハリーとジニーのキス、ロンとラベンダーのイチャイチャ、それに嫉妬するハーマイオニー…。

原作の重厚な謎解きを期待したファンからは、この「学園ラブコメ」的な側面に、批判的な声も上がりました。 しかし、これこそが、デヴィッド・イェーツ監督による、計算され尽くした、そしてあまりにも残酷な演出なのです。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

この映画で描かれる不器用な恋模様は、ハリーたちが経験する、人生で最後の「平和な日常」。これから始まる、全てを失う過酷な戦争を前にした、束の間の「嵐の前の静けさ」なのです。 この輝かしく、甘酸っぱい日常を丁寧に描けば描くほど、ラストで訪れるダンブルドアの死と、ホグワーツという安全神話の崩壊が、より一層、衝撃的で、悲痛なものとして、私たちの胸に突き刺さるのです。

【もっと面白くなる美学②】アカデミー賞ノミネートの映像美。レンブラントに学ぶ“光と影”🎨

この映画が、シリーズで唯一アカデミー賞「撮影賞」にノミネートされた、という事実をご存知でしたか?  撮影監督のブリュノ・デルボネルは、オランダの画家レンブラントの絵画にインスピレーションを受け、深い影と、柔らかく絵画的な光に満ちた、圧倒的に美しい映像世界を構築しました。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

意図的に彩度を落とした、どこかセピア色がかった画面は、作品全体に「陰鬱」で「メランコリック」な雰囲気を与え、忍び寄る闇と、失われゆく子供時代の無垢を、セリフ以上に雄弁に物語っています。 特に、シルエットを多用したショットは、ドラコやスネイプが抱える内面の葛藤や、道徳的な曖昧さを、観る者に強く印象付けます。 本作は、シリーズで最も「詩的」で、「絵画的」な一作なのです。

【もっと面白くなる美学③】「裏切り」と「信頼」。ダンブルドアとスネイプ、究極の“二人芝居”🤫

物語のクライマックス、ハリーの目の前で、スネイプはダンブルドアを殺害します。 ハリーにとっては、そして多くの観客にとっては、許しがたい、究極の「裏切り」の瞬間です。

しかし、シリーズを最後まで観た私たちは知っています。 この行為こそが、ダンブルドアが自らの死期を悟り、スネイプに託した、「わしを殺してくれ」という、究極の「信頼」に基づく、壮絶な計画の遂行であったことを。

ヴォルデモートを欺き、ハリーを守り、そしてドラコの魂を救うため…。 ダンブルドアは、自らの死さえも、壮大な計画の駒として利用したのです。 この、「裏切り」の仮面を被った、究極の「忠誠」。その真実を知ってからこのシーンを観返すと、スネイプを演じた故アラン・リックマンの、表情一つ、声の震え一つに込められた、あまりにも深い悲しみと覚悟に、涙が止まらなくなります…。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

エウレカ的視点💡:「語らない」ことで、多くを語る。映像的ストーリーテリングの極意

私たちゲーム開発者も、この映画の物語の伝え方から、多くを学びます。 本作は、原作にあったヴォルデモートの過去に関する詳細な説明の多くを、大胆にカットしました。その代わりに、映像の「雰囲気(ムード)」や、俳優の「表情」で、物語の感情的な核を伝えることを選びました。

これは、ゲームデザインにおける「Show, don’t tell (説明するな、見せろ)」という原則の、最高のお手本です。 全ての情報をセリフで説明するのではなく、美しく、そして意味ありげなビジュアルや、キャラクターの佇まいを通して、プレイヤー(観客)に物語を「感じさせる」。 それこそが、最もパワフルなストーリーテリングなのかもしれません。

まとめ:最も美しく、最も哀しい“序章”だった✨

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』がもっと面白くなる3つの美学、いかがでしたか?😊

  1. 残酷なまでの対比で、最後の日常を描く「青春ラブコメ」の美学
  2. 物語る“光と影”。アカデミー賞ノミネートの「映像」の美学
  3. 「裏切り」の仮面の下の、究極の信頼を描く「物語」の美学

この映画は、シリーズの中で、最も美しく、そして最も哀しい「最終決戦への序章」です。 原作からの改変に賛否両論はありますが、一本の映画としては、紛れもない「傷のある傑作」。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

ぜひ、これらのポイントを胸に、もう一度、色褪せた光の中に立つ彼らの、最後の青春の日々を見届けてあげてください。 きっと、その映像の奥にある、深い悲しみの色に、改めて心を揺さぶられるはずです。💖

それではまた、エウレカブログでお会いしましょう!👋

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